前回は基調講演の様子をお伝えしましたが、今回私が参加した個別のブレイクアウトセッション
についてお伝えしたいと思います。
●前回の補足
ちょっとその前に前回の基調講演の記事で補足したいというか、とても知ってほしい内容がありましたのでそちらをお伝えしたいと思います。
それは、「AI for Accessiblility」というMicrosoft の取り組みです。
AIを活用することによって障害を持つ方に対する障壁をなくす取り組みです。
基調講演では「Seeing AI」といったスマホカメラをかざすとカメラに映った人、物、文字を読み
上げて教えてくれるアプリなどを紹介しておりました。
私もこのSeeing AIが公開されてすぐに試してみたのですが、子供を向けると「〇〇歳の女の子が
います」といった形で説明してくれます。
どのようなものかはこちらの動画をご覧いただければと思います。
下記は2016年にSeeing AI のプロトタイプとして紹介された時ですが、こちらの動画は非常に
心に響いたことを覚えています。
このような目の不自由な方をエンパワーする取り組みをもっともっと広めてほしいと願ううと
同時に私たちもこうした活動に取り組んでいきたいと強く思いました!
●ブレイクアウトセッション
今回のブレイクアウトセッションのタイムスケジュールですがランチセッション含めて全部で4コマの時間割となっていました。
1コマあたり45分のセッションとなり、参加者は関心のあるセッションを自由に選択して受講
できます。
基本的に事前予約などはなく先着順となるため、人気のあるセッションはすぐに満席となって
しまう状況です。
今回私がピックアップしたセッションは以下となります。
・J-1 AIをインパクトにつなげる Spark Beyond
・I-2 電子カルテシステム Opt.one、Azureで実現する歯科業界初のAI型治療計画支援システム
・H-4マイクロソフトの Azure オープン ソース戦略とパートナー エコシステム
それでは順番にセッションの内容を共有したいと思います。
※お断り:前回同様となりますが、セッション内容に関して正確性に欠ける内容も含まれるかもしれませんが、その点は予めご了承頂けたらと思います。
内容に関して補足するコメント等ありましたらフィードバック頂けますとありがたいです。
・J-1 AIをインパクトにつなげる Spark Beyond
Spark Beyond社Arun Poojari氏による英語でのパートナーセッション(通訳なし)となります。Spark Beyondは、AIを利用して様々なデータから精度の高いインサイト、リサーチを提供
するイスラエルの会社となります。
SparkBeyondは自動化されたリサーチエンジンを構築しており、データの複雑なパターンを
発見することができます。
デモとしてタイタニックの生存者に関して、AI分析によって予測されるデータを披露して
いました。
米国における納税額の予測を、Zipコードを入力するだけでその地域で必要となる税金支出を
予測するというものもありました。
導入事例としてロンドンの小売店の新規立地に関する予測などに活用されているそうです。
日本における実績はまだ無いようなのですが、今回のイベントを機に協業を検討するパートナー
企業が増えるかもしれませんね。
・I-2電子カルテシステム Opt.one、Azureで実現する歯科業界初のAI型治療計画支援システム
歯科業界で電子カルテシステムを展開しているオプテック社と協業パートナーのクレスコ様によるパートナーセッションとなります。
前半はオプテック社が手掛けるOpt.oneとよばれる電子カルテシステムの紹介となります。
歯科業界のカルテシステムで、約3000程の歯科医院に採用されており年間純増で300社程度の
伸長率との事。
歯科業界での高度な診療スキルが必要となるため、新たにAI分析機能によってキーワード入力
により予測される病名や投薬方法など歯科医師を支援するシステムを提供している。
デモではAI分析による支援の様子が披露されておりました。
後半は、AI分析機能を開発したクレスコ様からAI分析の開発基盤としてAzure を採用した経緯
を説明されておりました。
クレスコ様の話によればどちらかというとIBM Watsonに注力されていたそうですが、今回の
要件では、LUISといったAzure で提供されるCognitive Serviceが最適だったそうです。
またAzureの知識が乏しかったが、MS主催のHackasonに参加しMSの知見をもとに開発を進め
られたことが大きな収穫だったそうです。
●ハイブリッドクラウド研究会のブースにお邪魔しました
午後の2セッションが終わって、少々集中力が切れかけになったところでリフレッシュも兼ねて私も参加させて頂いている「ハイブリッドクラウド研究会」のブースにお伺いしました。
今年のPartner of the year を獲得されたJBS様が主幹事をされているコミュニティ活動です。
JBS胡田さん(写真右端)が研究会をリードしており、私の所属する会社もこのコミュニティに
参加しています。
コミュニティではクラウドの導入スタイルやユースケースを体系化したハイブリッドガイド
ラインの策定に注力しています。
今回のイベントでは、ハイブリッドクラウド研究会をより多くの方に認知頂けるように研究会
独自で出展させて頂きました。
説明員を担当されたJBS胡田さんをはじめ、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ米津
さん、Microsoft高添さんが立ち寄る参加者に熱心に説明されておりました。
私もコミュニティメンバーとしてより一層頑張っていきたいです!
・H-4マイクロソフトの Azure オープン ソース戦略とパートナー エコシステム
カンファレンス最後のセッションは、Azure を活用してOSS開発をリードしている下記のパートナー2社によるパネルディスカッションとなりました。
モデレーターとして日本MS社のOSS開発リードの坂田様が進行されておりました。
冒頭は坂田さんからMicrosoftのオープンソースに対する取り組みを紹介していました。
Microsoft本社の サティア・ナデラ CEOが「Microsoft ♥ Linux(Open Source)」と
いう
メッセージを2014年に打ち出したが、現在は「Microsoft + OSS」の構図は当たり
前と
なってきた。
先日のGithub買収が話題となったが、オープンソースのカルチャーをしっかり継承している。
特にKubernetesなどは、Co-Founderや開発の第1人者にJoin頂き、非常に力を注いでいる分野
となっているそうです。
坂田さんからの解説が終わり、ここからパートナー2社による説明が続きます。
・クリエーションライン
会社代表の安田様よる会社概要などを説明頂きました。
クリエーションラインは、今年度の
「Open Source Applications & Infrastructure on Azure」カテゴリのパートナーAwardを
受賞されております。
OSS開発をメイン業務とされており、ChefやAnsibleなども構成管理ツールはもちろん
Docker、Kubernetesに注力されています。
Kubernetesに関しては、国内でも数える程度しか存在しない認定パートナーとして活動されて
いるそうです。
MS社とのパートナー関係の歴史は浅いようですが、MSのオープンソースに対する姿勢に共感
され、関係を強化されているようです。
Azure でのOSS開発事例としては、デンソー様の開発環境を開発された事例や電通様との
デジタルサイネージを共同開発なども手掛けておられます。
・オルターブース
会社代表小島様による会社概要を説明頂きました。
クリエーションライン様と同様にOSS開発に非常に強みを持たれている会社です。
本拠地は福岡との事ですが、
「つまらない世界からお客様を解放させ、もっと刺激のある世界へ変化させよう!」
という信念のもと、様々な開発にチャレンジされているとの事です。
自社サービスとしてもマイクロサービスアーキテクチャに特化したプラットフォームサービス
「KOSMISCH(コーズミッシュ)」などを提供しています。
クリエーションライン様が受賞されたAwardの昨年度受賞者がオルターブース様という事で、
お互いをリスペクトしているように感じました。
小島様個人も Microsoft MVP を受賞されており、また企業としてもInnovation Awardと別の
Awardも受賞されているそうです。
Azure 事例として紹介されたのは、有機野菜のデリバリーで成長されている
「オイシックス・ラ・大地株式会社」の事例でした。
Azure Functionsを利用して管理のフットプリントを最小化しつつ、クラウドのメリットを
最大限に活用されていました。
・3者によるフリートーク
オルターブースさんもクリエーションラインさんも口を揃えて言っていたのは、開発を進める
上でMSが実施している「Hackason」に参加した事が非常に有用だったという事です。
Hackasonはアプリケーション開発の集中講座といった形でMSエンジニアが顧客やパートナー
と一緒になって開発を進めていく取り組みです。
Hackasonを通じて、開発手法を学びながら一気にシステムを作り上げる事でお互いのスキル
向上につながっているそうです。
●まとめ
今回のイベントを通して強く感じた事は、Microsoft社がパートナーに寄り添った活動に注力していると感じました。
日本MS社の顔である平野社長が基調講演でも触れていましたが、MS営業部門のKPIとして
パートナーのソリューションの共同販売目標も指標となっているとの事で、パートナーと
共に歩いていく姿勢を前面に出しておりました。
こうした動きの根底にあるのはMSの掲げるミッションが浸透していると感じました。
また日本国内No1のクラウドを目標に掲げており、この動きは更に活発になると期待していま
すので、今後の動向に目が離せないですね!
セッション終了後は懇親会に参加させて頂き、テーブルでご一緒させて頂いた他の参加者さんと
交流を図ることが出来ました。
また来年も是非参加したいと思います!
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