2022年6月12日日曜日

西川幹之佑さん著書「死にたかった発達障がい児の僕が自己変革できた理由」から学んだこと

 今回は西川幹之佑さん著書について感想を綴りたいと思います。

タイトルに「発達障がい」というキーワードが含まれておりますが、この本は障がいを持つ人、持たない人、年齢、性別に関係なく手に取って頂きたい一冊と感じましたのでその魅力を少しでもお伝え出来たらと思います!

著者「西川幹之佑」さんとは

著者である西川さんは2002年生まれの大学生です。

幼少期に ADHD(注意欠如多動性障がい)、ASD(アスペルガー症候群)傾向、LD(学習障がい)と診断され、その影響から周囲の理解を得られず、小学校時代には自身の存在自体も否定するところまで精神的に追い込まれた状態だったそうです。

苦悩を抱えつつ小学校時代を経て、西川さんは中学校においてこれまでの人生を一変させる出会いが訪れます。

その運命的な出会いによって西川さんは人生に光を取り戻し、素晴らしい能力を開花させました。

そして今、西川さんと同じ障害で苦しんでいる方たちに向けて自分の体験を共有することで少しでも貢献したいという想いからこの本を出版されました。

私が西川さんを知ったきっかけ

私が西川さんを知るきっかけとなったのは、私が尊敬する澤円(さわまどか)さんが音声プラットフォームVoicy「深夜の福音ラジオ」チャンネルの放送(放送回はこちら)でした。

放送の中で澤さんが西川さんからこの著書を献本されたこと、西川さんとのエピソードがとても素敵なものでしたので、放送後すぐにネット検索で西川さんの本を見つけたのですが、そこには西川さんとともに写る人物がおりました。

その人物というのが、西川さんに人生に光を見出すきっかけをもたらした工藤勇一(くどうゆういち)さんです。

工藤勇一さんに関しては既にご存知の方も多いかもしれませんが、東京都千代田区立麹町中学校で校長に就任後、これまで当たり前と思ってきたことや既成概念に全く囚われない、常に子供たちの目線に立った学校教育改革に積極的に取り組んでこられた方です。

私も子を持つ親として工藤先生の考え方にとても共感しており、このブログでも工藤先生の著書「学校の当たり前をやめる」については当ブログで感想記事を綴っていますのでこちらも併せて見て頂ければと思います。

そしてその工藤先生が務められた麹町中学校の卒業生、教え子となるのが西川さんでした。

西川さん書籍の紹介文、既に投稿されていたレビューから引き寄せられるように購入ボタンを押しておりました。

この本に書かれていること

西川さんが幼少期~中学校時代に家庭および学校生活で直面した問題を当時の心境と共に綴られています。

西川さんが過去の自分と向き合い、ADHD等にみられる行動特性などを自身の当時の心境を交えて大変分かりやすく言語化されていて新たな視点を得る事が出来ます。

生まれながらにして西川家の家系が持つ輝かしい歴史、慣習を踏襲することを求められ、自分の意志とは関係なく人生のレールが敷かれた状態だったこと。

また、自分ではコントロール出来ない感情の起伏によって、ご両親でさえもその行動を理解出来ず、周囲の理解も得られないという負のループ。コントロール出来ない自分を責め続け、常に「死」を意識するという非常に苦悩した心境を語っています。

工藤先生の著書においても紹介されていた様々な取り組みを、教え子である西川さんの視点から改めて解像度高く知る事が出来ましたし、工藤先生から学んだことを西川さん自身にしっかりと吸収し進化させていると感じました。

著書の後半では発達障がいで同様に苦しんでいる人たちに向けて、西川さん自身が実践してきた勉強法のコツであったり日常生活において症状を少しでも抑えるような取り組みを紹介されておりとても参考になる内容となっています。

この本を通して得られた気づき、学んだこと

「発達障がい」「ADHD」といった大きな主語で一括りにして語る事は出来ないなと感じました。

西川さんのように家系的な呪縛というものが覆いかぶさってきたように、ひとりひとりがバックグランドも違っている状況で、一般的に認知されている病名だけでラベリングしたり特別扱いするのは間違っています。

現に西川さんは特別扱いされる事でさらに負のスパイラルに陥ってしまったことを見ても
感性豊かな子供達を我々大人たちはよりフラットな目線で接していかなければいかないと
私も自戒を込めながら感じております。

そもそも完璧という人間はいませんし、何かしら欠点だったり得手不得手というものが存在するからこそ個性と言えるでしょうし、欠けている者同士が協力し合っていく事が人間という存在だと思います。

著書にもあった一節「そのままでいいんだよ」という言葉を我々大人たちが子供達に伝えていくべき大切なマインドを常に意識して、子を持つ親として取り組んでいきたいと思います!

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